UEC-100周年記念キャンパス企画プロジェクトVBセミナー2015 No.34

VBセミナー(34)【先輩エンジニアの話を聞く編(10)】 記録

【写真と文 安部博文】

日時2015年7月09日(木)5限(16:15~17:45)
場所東3号館306教室

内容
1 電通大在学中に始めた「テクノ手芸」を語る

大平恭子(おおひら・きょうこ) 株式会社オブシープ代表取締役
2010年電気通信大学人間コミュニケーション学専攻を修了。電子技術と手芸を組み合わせた工作を『テクノ手芸』と名づけ、新しいものづくりを提案。著書『テクノ手芸』(ワークスコーポレーション)。新卒で就職した後、2014年株式会社オブシープ設立。将来の独立も考えつつ新卒入社した会社を選んだ話、その後安心して会社を立ち上げるために準備したことなどを語った。


・あまり身構えない起業の話
創業は2014年。テクノ手芸の活動は2008年(学生時代)から,テクノと手芸を結び付けるプロジェクト活動としてスタート。記事を書いたりワークショップを開催した。
会社の経営モデルとしては,急成長を目指すスタートアップ型ではなく,人や企画との出会いで仕事を進める中小企業型を選んだ。会社にした理由は,外注するとき個人事業主よりも株式会社にしておくほうが便利なため。

・新卒カード
大企業でベンチャー的な企業で,エンジニアとして実力をつけられる会社を探した。面接でとりつくろわずに話ができた会社に就職。1年目は開発初心者として保守を中心に仕事を開始。傍らで著書『テクノ手芸』を出版。2年目から開発者としてコード書き。3年目は10人のメンバーをまとめるチーム・リーダーを任される。テクノ手芸と会社勤務の比率を変えたいと考え4年目に退職。

・WEB系の仕事は自由がきく
どうやったら自由になれるか,つぶしが利くかを考える。2,3年しっかり勉強するとWEBエンジニアになれる。力があれば会社に入ることもできるしフリーランスでもやれる。自分でポイントを見つけると可能性が広がる。身に付けた技術は時間と共に目減りするので,新しい技術を知るために,仕事と結びつける工夫をして錆びつかせないようにする。

・面接官の視点
会社で面接も担当した。なにかひとつのことをしっかりやってきた人は話がしやすい。資質はあっても仕事を語れない人には仕事を振りにくい。実績は本人にも会社にもリスクを回避する武器になる。学生に面接のコツを伝授できる(笑い)。何々をやってきました,という話は誰でも語れる。私は,Aではなく,Bを選択した理由は何かを説明できる力を持つ人を評価した。そういう思考と説明力を大切にする会社だったので。

・テクノ手芸プロジェクト
回路は一つでも,手芸を組み合わせることで多様な表現が可能になる。興味を持つ人が広がる。そこに面白さがある。始まりは海外で工業用の通電する糸を使った作品があるのを知ったこと。これがきっかけで先行事例を調べた。テクノと手芸の組み合わせは始まったばかりの世界だった。そこで電子工作と手芸を結び付けた活動をテクノ手芸と名付け,活動を開始した。もともと手芸好き,電子工作が好き,プログラミングが好きだった。結果的にこれら好きなことを組み合わせた活動になった。
プロジェクトにしたのは,電子工作が好きな人と手芸が好きな人がその両方を結び付けた活動ができるようにするため。

・大学院は楽しい
学部4年で専門が決まり,専門の視点で物事を見ると,広がりが出て来ることを知った。専門のために狭くなるのかと思っていたら逆だった。これから先,仕事から離れる時期があれば博士課程に進んで好きなテーマで研究することもあるかも知れない。

・1年生へ
自分が1年生の時は何もやっていなかった。今日の参加者は1年生でこの場にいるということがすごい。視野が広がることがうらやましい。1年生からできることをやった上で研究室を選ぶと良い。
会社に入ると仕事が評価される。仕事の評価と個人の人格の評価とは別の次元だ。しかし,これを混同すると仕事を酷評されたことと自己評価を同じにしてしまう。それは実力を伸ばすという視点で見ると残念な捉え方だ。自我と仕事との距離感の捉え方・切り替える力は大事だ。

・したいことを語ることが大事
リーダーだったとき,メンバーにどういう仕事を振れば良いかを考えた。その時,自分はこういうことがしたいとかこういうのを目指すとはっきり語る人には仕事を振りやすかった。これは成長する機会を得る上でとても大事なこと。