No.013

JR東日本 テクノハート TESSEIを見学しました

東京駅で新幹線の客室清掃を行う株式会社JR東日本 テクノハート TESSEIを見学しました。スタッフの仕事が「清掃」のレベルを超越して「おもてなし」になっていることで有名な会社です。外国人観光客がホームからスタッフの仕事を見て,終わったら拍手をするほど。「新幹線劇場」と言われているそうです。

当社の見学の本来目的は,電通大が行っている自治体産業振興担当者対象の講座「地域産業振興講座」の事前見学でした。あえてこのHPで報告するのは次の理由からです。

1. TESSEIのおもてなし創造部長・矢部輝夫氏の著書「奇跡の職場 新幹線清掃チームの働く誇り」( http://goo.gl/ZZVFs9 )に心を揺さぶられたから。
2. JRのシステムは凄い,という驚きをお伝えして共有したかったから。(あらためて言うまでもない話です。けれど,ホームに新幹線の車輌が入るとホームと車輌に間の情報システムが起動する場面を見て,隅々まで完成されたシステムなのだと改めて感心しました。TESSEIのオフィスにあるコンピュータ画面で車輌の動きをモニターするのは当たり前の感覚で見ました。しかし,客室清掃システムを動かすところをホームで見た時は,格別でした)
3. スタッフルームの整理・整頓・清掃が行き届いた状態に,3Sの迫力(仕事の質の高さを伺わせる)を感じたから。
4. グズでは絶対勤まらない,かといって気ぜわしい人では事故を起こす。スピードと突発的な変化にも対応できる要領の良さを兼ね備えた能力が必要という職場の迫力をお伝えしたいから。

日時:2013年3月13日(木)10:00~12:00
場所:〒103-0028 東京都中央区八重洲1-5-15 田中八重洲ビル
内容:現場見学と矢部氏のレクチャー。
    現場見学はおもてなし創造部主事の村上幸子さんがガイドしてくださいました。

1チームは22名。22名が10両編成の車輌をクリーンアップします。新幹線がホームに到着して始まる清掃隊の活動のスタートからフィニッシュまでの7分間の流れ(礼→仕事→礼)を見学。ホームにある柱の一つには客室清掃専用のスイッチボックスが設置され,線路脇には清掃中・清掃終了を知らせるシグナルも設置されています。次にホームの下に移動。プロ用通路で新幹線の車輪を目前にする場所。新幹線の車輪とディスクブレーキを見上げる角度はふつうないです。車輌の動きはスムーズで静粛。シューという音と共に車輌が滑り出していきました。

スタッフルームと道具・交換資材スペースの見学。整理・整頓と5Sが浸透して照りが出ている感じでした。「あれはどこにあるかなあ?」といったムダな動きが出てくる予知が一切ないであろう迫力の整理・格納状態です。

現場見学の後,会議室で矢部さんからなぜ世間の注目を集める職場になったのか,経緯と具体的な活動内容について伺いました。
http://www.obt-a.net/web_jinzai_magazine/person/2013/03/jrtessei.html

仕事を感動のレベルまで持って行ったリーダーの矢部さん、現場の方々の言葉と姿を見て、日本人とは大したものだと感じました。実際、外国からの見学も多数あり、見学でなくとも車両の清掃を見ていた海外客の団体から拍手が湧き起ることもあるという話です。
ひるがえって自分の仕事を鑑みたとき、TESSEIのスピード感に伍しているか、逆に、気ぜわし過ぎて粗くなっていないか、自問しないではいられませんでした。TESSEIの新幹線運行システムという巨大システムの一部を担う清掃システムの乾坤一擲ともいえる仕事ぶりを見て、背筋が伸びる思いでした。

「TESSEIの仕事は、JR東日本のがちっとしたマニュアルの中で徹底してやる。その中で創造性を発揮する」と言った矢部さんの言葉が印象的でした。さらに「この仕事で一番大切なのはコミュニケーションです。チームワークがなければこの仕事はできません」と語っていました。TESSEIの「みんなでやろう!」のポリシーをお題目ではなく、現場の個々の働き手が感じた細かな作業から吸い上げ、組織的に具現化したところに今の世間の注目が集まっていることが分かりました。

新幹線に一便の車両が入る時間は12分。客が降りるのに2分、乗るのに3分。残りは7分。その7分で1車両100席をクリーンアップするのがTESSEIの仕事。実は、それだけではなく、ホームにいるお客様のおもてなしを実行するのがTESSEIの仕事の本質である、と言うところの意味が少しわかったのが今日の見学の収穫でした。