No.016

日本ナレッジ・マネジメント学会でハートビーツの前川取締役が活動報告

今回は,UECインキュ入居企業の活動のレポートです。
3月8日(土)に横浜国立大学で行われた日本ナレッジ・マネジメント学会第17回年次総会でUECインキュ入居企業のハートビーツ株式会社・前川和也取締役が「組織変革プロジェクト」(後述)に関する発表を行い,パネル討論会に登場しました。この活動について報告します。

【概要】
最初に,学会理事の進博夫氏からパネル討論会の趣旨説明の後,高山千弘エーザイ理事・知創部長から「知識創造企業を目指す組織変革実践とその成果」と題して活動概要の解説(注1)が行われました。
続いて、組織変革実践プロジェクトに参加したメンバー4名が順番に自社での取り組みと成果について報告しました(注2)。
この後、高山氏とメンバー4名によるパネル討論会とフロアとの質疑応答がありました。
最後に司会の進氏が再び登場し、オブザーバー2名からのコメントを紹介した後に本プログラムを閉じました。

(注1)組織変革実践プロジェクト
・目的:本プロジェクトのメンバーが職場のリーダーとなり知識創造理論を活用して組織変革活動を進め,社会に価値を提供する力を高めること。

・内容:知識創造理論の提唱者である野中郁次郎先生の直接指導を受けて成果をあげてきたエーザイのノウハウを,エーザイだけに留めず,横展開しよう,というもの。

・プロジェクトのメンバー 株式会社長谷川ホンダ販売・Aさん,日本郵便株式会社新潟中央郵便局・Bさん,株式会社新潟関屋自動車・Cさん、日本リファイン株式会社・Dさん,★ハートビーツ株式会社・前川和也。 

・期間:2013年1月から12月の間に7回のプロジェクト・ミーティングを茗荷谷のエーザイ・ナレッジセンターにて実施。1回6時間。

・方法:プロジェクト・ミーティングで方法論やディスカッション、発表を行う。後日,気付きをペーパー化してメンバーで共有。メンバーは職場でそれぞれの目的・方法で実行し,ミーティング時に発表。これを繰り返してスパイラル・アップした。

・活動:異業種が顔を合わせて話し合うでメンバー相互に気づきがあった(共同化)。メンバーがそれぞれ気づきや思いを文書化した(表出化)。各回のミーティングごとにメンバーが形式化した資料を一本化した(連結化)。ミーティングと資料によってそれぞれが新たな気付きを得た(内面化)。この新たに得た気付きとプロジェクトミーティングで得た気付きを元に,職場で組織変革活動を回りの人間を巻き込みながら実行し,成果を上げた。

(注2)メンバーによる発表の概要。
株式会社長谷川ホンダ販売・Aさん クルマの販売店という自社の概念規定を見直した。新たに「生活交流ひろば」という新概念を導入した。その結果,社員のモチベーションが向上。社員と顧客との会話が増した。さらに外部連携の活発化が進んでいる。

日本郵便株式会社新潟中央郵便局・Bさん 日本郵便の経営理念を再確認した。これによって仕事の意味を再発見した。法人顧客に通い相手と直接会話することにより,その法人顧客にとってのお客様へむけた良いサービスを日本郵便が一緒になって考え,提供するという立ち位置があることに気づいた。組織内で経営理念が浸透するにつれ営業成績も向上。

株式会社新潟関屋自動車・Cさん 新潟県トップの歴史ある自動車学校。意外に見えるが,文書化された経営理念を持っていない。そこで社長が語った言葉をCさんが文章化した。この文書を組織内で共有し理念の浸透を図った。本業の運転教習に加え,地域の交通安全啓発センターとしての役割をクローズアップ(学校で子どもたちのための安全教室を行なうと自動車学校の職員が張り切るという効果があった)。また,合宿形式の免許取得サービスによって,より広域からの集客を強化。結果として経営成績の向上が期待できる。

日本リファイン株式会社・Dさん 当日,Dさんがやむをえない事情で欠席。代わりに高山氏が同社の取り組み概要を説明。持続可能な社会を実現するため、溶剤のリサイクルという会社の本業を通して資源循環ソリューションを提供するためのDさんが取り組んだ強い組織づくり活動を紹介した。

★ハートビーツ株式会社・前川和也
変革の目的を,迅速な意思決定と将来に向けた持続的成長力を備えた組織づくりとして設定し活動した。創業以来,ずっと現場仕事を担当していた社長がついに現場仕事から離れ,将来の事業の探索活動と戦略的な意思決定に専念することになった。これに伴い,ベテランが新人を体系的に育成する仕組みが動き出している。同社の受注力はマンパワーと相関する。そのため,人材育成と洗練された業務システムの開発が経営安定の要となる。この1年で,大きい変化を遂げることができた。